再生可能エネルギー開発は電力自由化により推進される?

 

福島第一原発の事故の後、エネルギー問題が急激に浮上してきました。もし原発をすべて廃止するとすれば、原子力に代わって期待されるのは、再生可能エネルギーです。

再生可能エネルギーとして現在最も期待されているのが、太陽光発電や風力発電です。太陽や風という自然の力を利用することで、放射能も出さず、二酸化炭素も放出しないクリーンなエネルギーなのです。したがって、次世代のエネルギー源として最もふさわしいように思いますが、まだいろいろな問題があります。

現状では太陽光や風力などの再生可能エネルギーはコストが高く、他の電源と比べて競争力が劣るのです。自由化により、市場原理が導入されれば、価格の高い再生可能エネルギーを買う電力会社はいません。

また、発電量は、日本の全発電量に対して、太陽光発電が1.3%、風力発電が0.5%に過ぎません。電力の変動も大きく、一定の発電量の維持が必要なベース電源にはなりえません。

再生可能エネルギーは、質、量、コストのすべての面において、実用に耐える段階ではありません。開発や実用化に向けた挑戦は必要ですが、発展途上の技術に過度の期待を抱くのは危険です。